T・日本医師会代議員の選出方法について
平成13年10月7日(担当)小森 貴
日本医師会(日医)代議員の選挙は都道府県医師会に委託されている。このため、区医師会、郡市医師会、都道府県医師会と医師会組織が階層的に組織されている現況にあっては、好むと好まざるとを問わず、日医代議員は必然的に医師会会務に長年精通された会員、つまり比較的高齢の会員のみで構成されることとなる。(平成14年1月現在の代議員平均年齢68.7歳)。
このことは日医会務の遂行に安定感を付加することに大きく寄与する反面、急速に変容する医療システムに柔軟かつ敏速に対応することにおいて、必ずしも十全とは言い難い。それに、何よりも、幅広い年齢層で構成されている医師集団の代表としての日医の決議機関としては、甚だしく年齢構成が偏っていると言わざるを得ない。
代議員の構成を年齢別に別途定める方法もあるが、年齢は代議員の資質とは別の問題であるため、これは避けた。いずれにしろ各都道府県医師会内の強い意志が働かなければ、代議員の構成を変革できないとすれば、何らかの別の方策を採らざるを得ないと考えるのである。また、我々医師の拠って立つ基盤が日常の診療にあることは言うまでもなく、とすれば地域医療・介護・保健・福祉ネットワークの実情から、地域医師会の必要性は誰しも肯定するのではないだろうか。さらに、各都道府県の人口格差、政令都市の現状などを考えると、都道府県単位、道州制単位の選挙制度はそれぞれに問題が大きい。また、選出母体別の選出方法については、今回は言及しない。
これらのことから、我々は日医代議員の選挙に医師会員500名程度あたり1名を選出する小選挙区制を導入することを提案するものである。また、代議員の定年は65歳としたい。一律の定年制には異論があると思うが何らかの形で年齢制限を付与したいと考える。この変革によって、会員が自らの投票権を行使して日医代議員を選出することとなり、日医代議員会が、医師会員の代表決議機関である証となるのである。いっぽう代議員もまさに代表としての自覚と誇りを持って日医会務の評価と実行にあたることとなり、未来を見通したより良い医療システムの構築のために必要なダイナミズムを持つことが可能となるであろう。
この一文は第二次日本医師会未来医師会ビジョン委員会で小生が担当した論点メモである。
小生が担当したもう一つのメモは別に掲載された。
委員会の答申全文は日本医師会HPに掲載されている。
日本医師会HP(要会員用パスワード)