第V次未来医師会ビジョン委員会
(抜粋)

議論の過程で我々が常に考え続けたことは、答申に向けての思惟や行動は
我々医師のためでも医師会のためでもなく、患者・国民のためであり、
我々自身もまた患者であり、患者の家族であり、国民であるということであった。

医師、医師会、医療制度、社会保障に関する議論には、我々医師が時には患者であり、
患者の家族であり、常に地域の住民であり、国民である視点がともすれば欠如していたように感じられる。
患者は、顧客でも被保護者でもなく、ともに生きるパートナーである。
医療現場では、医師は疾病と闘う「患者チーム」の一員であることを再認識すべきだ。
我々医師の拠って立つ原点が、すべて国民とともにあることをこれからも大切にして、
魂に炎を灯し続けていたいと思う。
医師であることが誇りであるという意識を、次世代の若き医師たちにも手渡したいと願うからである。

 William Oslerの指摘によれば、
「医学教育の目的は、進むべき方向を示し、不完全な地図を与えること」だそうである。
今回の答申は、不完全なものかもしれないが、我々が進むべき方向を示し、
迷路から脱出するための「地図」であり、
また同時に患者・地域住民・国民に対して必ず守る約束であることを宣言するものである。


第V次未来医師会ビジョン委員会 最終委員会の後で

平成16年1月 最終委員会の後で


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