第1次未来医師会ビジョン委員会 全員集合

「未来医師会ビジョン委員会」

 

坪井日医会長の諮問
「二十一世紀少子高齢化社会での医師会および医療制度のあり方」
に答えるため始まった「未来医師会ビジョン委員会」は、
1月20日の最終委員会を終え、
3月上旬の答申に備えて最後の調整中である。

答申は―2025年の日本の医療―との副題が示すように、
少子高齢化がピークとなる2025年をイメージして作成された。
内容は、1・未来の医療のあるべき姿、2・未来の医師のあるべき姿、
3・未来の医師会のあるべき姿の3部門に分かれている。
第一部では医療の守備範囲、標準化、倫理、救急体制、医療評価について述べられ、
第二部では医師・医師会の自浄作用について主に語られる。
第三部では既に直接選挙となった日医会長選挙の場面を、
スポークスマンの声を通して描写される予定だ。

国立社会保障・人口問題研究所によれば、
1996年の合計特殊出生率(1.43)がそのまま続いた場合、
日本の人口は2100年ころには約4900万人、2500年ころには約30万人、
3000年ころには約500人、3500年ころには約1人になるという。
しかも合計特殊出生率は1998年には1.38にまで減少している。
一方2025年には老年人口割合が27.4%と現在の約二倍に増加し、
従属人口指数は約68%と三分の一の国民が
子どもと高齢者の生活を支える構図となる。

21世紀のありかたについては、多彩な分野で活発な議論が行われている。
「21世紀日本の構想」懇談会が1月18日小渕首相に最終報告書を提出し、
「協治」を謳ってマスコミに大きく取り上げられたことは記憶に新しい。

日本の社会保障制度がその根幹から揺るごうとしている現在、
我々には未来の子供たちにより良い社会を残す責任がある。
医師会も新しいビジョンと弛まざる努力で国民と共に歩まねばならないと考える。

平成12年2月 石川医報編集後記より改変

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