ゆっくり、はっきり話してね!
―相手に自分の目と口を見せる―


補聴器にぎやかなパーティー会場で話し掛けられたとき、
相手の話す内容が、正確に分からなくても
その場の雰囲気を壊さないために取り合えず、
うなずいたという経験はありませんか。
それが、音が聞こえないわけではないが、
聞こえにくいという人の、耳の聞こえ方なのです。

早口の英語を聞いているような感じといえば、
分かりやすいでしょうか。
相手が何か伝えたがっていることは分かるが、
集中していないと、たちまち内容が分からなくなり、
話についていけなくなります。

同じ英語でも、話す人が身ぶり手ぶりを交えて、
ゆっくり、はっきりと話してくれたら、分かりやすくなりますね。
絵や数字など、具体的な資料を見せながら説明してくれたら、
肝心な部分を間違えてとらえることもなくなります。

日本語でも同じことです。
会話がちぐはぐだなと感じたら、話している相手に自分の目と口を見せて、
ゆっくり、はっきりと話してみてください。

お年よりの方の耳元に手をあてて「おばあちゃん、あのね」と
やたらに大きな声を張り上げるのはやめてください。
聞いている人にとってはただうるさいだけで、ちっとも聞こえはよくありません。

ひずんだ音、割れた音は聞き取りにくいものなのです。
下手をすれば内耳をこわしてしまうこともあります。

ゆっくり、はっきり話しましょう!
忘れないでね!

北國新聞 平成12年1月24日号から改変

もどる つぎへ トップへ