補聴器の適齢期
75歳では、人は半数が補聴器を必要とします。
聞こえを担当する神経や脳が少しずつ壊れるためなのです。
だからといって75歳の方の半分が
補聴器を使っているわけではありませんし、
75歳になるまで使わなくてもよいというわけではありません。
補聴器はとても小さな器具です。
スイッチひとつ入れるにしても、
慣れないうちは神経を使います。
老眼のため、手元が見えにくくなっていれば、
なおのこと、扱いにくいでしょう。
しかし、どんなに細かなことでも、
私たちは体で覚えた動作は、難なくこなすことができます。
若いうちから慣れておくことは、
補聴器を使いこなすうえで大切なことなのです。
聞こえが悪くなったら、まだ早いとしり込みせずに、
耳鼻咽喉科の専門医を訪ねてみましょう。
年を取ったら世の中のことは若い者に任せて、
黙っているのが人格者だなどと考えないでください。
あと20年もすれば団塊の世代は補聴器の必要な老年世代になります。
そのとき、今のキレル子どもたちが40代です。
彼らのいうことを補聴器などの道具を活用して、
よく聞いて、間違っていたら指摘し、アドバイスすることこそが老年の役割です。
ただし、補聴器にも欠点があります。
次回はその欠点との上手な付き合い方を説明しましょう。